7月19日公開の映画「化け猫あんずちゃん」はアニメーションの手法「ロトスコープ」で作成されていることが話題になっています。ロトスコープはどのような手法なのか?日々、技術が発展している今、何故、「化け猫あんずちゃん」がロトスコープで制作されているのか気になり調べてみました。
引用:映画.com
ロトスコープ手法とは?
ロトスコープ手法とは、俳優の実写映像をトレースして制作するアニメーションの手法です。
アニメーターが一コマ一コマをトレースするため、非常に時間のかかる作業です。
歴史は古く、1915年にフライシャー(Max Fleischer)が発明した技術で、テクノロジーが発展した現代でも使われている手法です。
ロトスコープには賛否の意見があり、実際の人の動きを3Dモデルで再現するモーションキャプチャの普及や、通常よりも製作時間、費用が掛かる為、近年の主流のアニメーション制作技法ではないですが、現在でも広く使われている手法です。
動きが複雑なダンスシーン、格闘シーンなどの人の動きを精巧に見せるためにこの手法は取り入れられています。
ロトスコープを用いたアニメは?
ロトスコープを使用しているアニメを紹介します。
- 惡の華
- 鬼滅の刃(ヒノカミの舞)
- 信長協奏曲
- ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(ピアノ演奏シーン)
- ディズニー
白雪姫
シンデレラ
ピーターパン
ロトスコープの良さは何?
ロトスコープの良さは、実写の動きをリアルにアニメーションで表現できる点です。
実際の動きや背景をトレースしているので、俳優が演じたそのままをアニメーションでリアルに表現できます。
しかし、膨大な手間がかかります。
1秒の映像を10枚の絵に分割する場合は、10秒の映像を作るのに100枚の絵が必要です。
例えば、ディズニー映画の手書きアニメーションは1秒24枚の絵を使用しているそうです。
また、日本のテレビアニメの中には、1秒8枚程度に減らしているものもあります。
引用:デジタルハリウッド株式会社
手間、時間がかかるロトスコープですが、
アニメーションをロトスコープで制作するということは、実写のようなリアルな表現をアニメーションに取り込むことが意図されているように思われます。
森山未來の演技そのままがアニメーションに!
森山未來さんの演技力
森山未來さんは俳優・ダンサー。舞台や映画、ドラマで活躍されています。ダンスで培った表現力を元にした演技は、見る人を魅了します。
あんずちゃんのキャラ
森山未來さんが演じるあんずちゃんのキャラは、
中年になった化け猫で37歳。
按摩の仕事をして、地域の人に重宝され、そして趣味はパチンコ。
あんずちゃんのことを久野遥子監督は下記のように話されています。
『化け猫あんずちゃん』は、主人公が猫だからか、あまり重くないというか。重いものを背負っていたり、人生に苦悩したりするキャラクターも登場しますが、あんずちゃんはそれに引きずられずに「にゃっはっは」と傍観していく。そんな猫らしい軽やかさを持ちながら、一方では「カツ丼好きで仕事は按摩、パチンコが趣味の37歳のおっさん」らしいふてぶてしさみたいなものも併せ持っていて、それがすごく印象的でした。
引用:yahooニュース
森山未來さんを山下敦弘監督は下記のように話されています。
主人公“あんず”にはずば抜けた身体能力を持った森山未來しかいないと、自分の中で決めていて、“猫”という難しい演技を森山くんは期待以上に表現してくれました。
引用:映画.com
森山未來さんが演じるあんずちゃんの立ち振る舞い、しぐさ、動きがそのままロトスコープの手法で表現されています。
引用:映画.com
まとめ
7月19日に公開の「化け猫あんずちゃん」のアニメーションの手法のロトスコープは、実際に俳優が演技した映像を一枚ずつ描写して作られている手法だということ、その手法によって、実写のリアルな動きが表現されていることがわかりました。
この映画は、ロトスコープによって、森山未來さんの演技がそのままアニメーションで表現されている映画です。
演技力を高評価されている森山未來さんが演じるあんずちゃんは、これから老若男女から愛されそうですね。